レコード再生時に必要なフォノイコライザーですがノイズを拾っているようです。
当時の私の見解では!
サブシステムの信号の流れとしては以下のようになります。
①カートリッジ ➡ ➁プレイヤー ➡ ③EQアンプ ➡ 真空管LINEアンプ ➡
④プリメインアンプ(プリ部) ➡ ⑤デジタルアンプ ➡ ⑥スピーカー
この経路中のどこかで、電源ノイズを拾っているものと思われます。
ハムノイズの原因はフォノイコライザーの電源が有力!
とあたりを付けていたのですが。
フォノイコライザーをバッテリー駆動してみた
「ハム音の原因は電源由来である」点は変わりません。
- フォノイコライザーの消費電力は1.8W=12Vx0.15A 程度と小さい。
- 大きなバッテリーは場所をとるし、重いし値段も高い。
- Poor Audioなのでお金もかけられない。
という事で、12V 6Ahクラスの適度な容量と小型で低価格なバッテリーを購入しました。
せっかくなので、ポータブルバッテリーの世界では最近主流のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)をチョイスしました。
尚、下記広告は6Ahではなく12Ahです。
今回購入したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーのメーカー/ブランドは初めて聞くXZOY製です。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの充電はどうするのか
リチウム電池は発火事故を起こすことがある
「2013年、ボーイング787のジェット機に搭載されたリチウム電池が発火した事故」
リチウム電池は、落下や衝撃、内部ショート、過充電・過放電により発火や爆発する事もあるようです。
そんなリチウム系のバッテリーは改良が進み、中でもリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは一昔の商品に比べ安全性が高くなっています。
弱点としては
- リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは同じ体積に対するエネルギー密度が低い
点がありますが、以下のように長所がたくさんあります。
- 長寿命 2000~4000回程度
- 自己放電率の低さ: 1ヶ月の自己放電率はわずか1%程度
- 原材料価格の安さ: レアメタルを材料に含まない
- 環境汚染につながるコバルト・ニッケルなどを多く使用していない
端子、ケーブル、プラグの加工
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの電源をフォノイコライザー本体側のDCジャックにスムーズ接続できるようにバッテリー端子、ケーブル、DCジャックを加工、自作しました。
バッテリー端子
入手先はオートバックスの電装品コーナー
ショート防止用のカバー付の商品があったので購入しました。
ケーブル
入手先はオートバックスの電装品コーナー。
+-対の並行ワイヤーを購入しました。赤と黒に色分けされてるので誤接続も少なくなります。
DCプラグ
入手先は地元のパーツ屋さん
外形Φ5のDCプラグは多数あって、それぞれ微妙に異なります。
外形Φ5、内径φ2.1のDCプラグを購入しました。
充電はどうするのか
結論から言うとリン酸鉄バッテリー対応充電器でBMSの許容範囲内の充電器であれば問題ないかと思われます。
リン酸鉄バッテリー対応充電器
今回購入したバッテリーは定格容量6Ahです。
XZOYブランドからは充電器は発売されてないので、他社同等容量のバッテリーで発売されていた充電器を見つけました。
出力は14.4V 3Aです。
BMS(バッテリーマネジメントシステム)
今回購入したバッテリーにはBMS(バッテリーマネジメントシステム)が付いています。BMSはバッテリーの充電、放電、温度等を管理する機能です。
電圧が12V以上の場合、ほとんどのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーにはBMSが内蔵されていると言っても良いかと思われます。
今回購入した12Vのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーにもBMSが付いてます。充電に関するであろうものとして以下のような情報があります。
バッテリーパラメータ
電池動作電圧 10~14.6V
最大充電電流 10A
今回購入した出力14.4V 3Aのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー対応充電器は電池動作電圧10~14.6Vの範囲内、最大充電電流の10A以下ですので、充電条件として問題ありません。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの充電方法
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、以下のようなSTEP、フェーズがあるようです。
①STEP1 一定電流で充電(電圧は徐々に上昇)
②STEP2 特定の電圧になったら一定電圧で充電(電流は急激に下降)
③STEP3 指定の電圧、充電停止電圧になったら充電を終了
ここで色々と疑問が残ります。
今回のリチウムイオンバッテリーはバッテリーパラメータから考察すると
① 一定電流(CC充電) 10A以下
② 一定電圧(CV充電) 14.6Vか
③ 指定の電圧 14.6Vか?
また、上記STEP1からSTEP3の充電制御は
A 外付けのバッテリー充電器側で制御するのでしょうか?
B バッテリー内のBMSで制御するのでしょうか?
おそらくAとB両方を満たす条件で制限され、制御されるのだと思います。
充電状況を検証してみました。
①の一定電流充電(CC)は充電器の能力3Aで制限され3A。
②一定電圧充電(CV)は一定電流銃充電(CC)に比べて時間的に短いようですが実際何Vだったのかはわかりません。
③指定の電圧=充電停止電圧については、当初13.28Vだったバッテリーは最終的に14.5Vで充電が完了したようです。
その後バッテリーの電圧は13.71V程度、翌日、翌々日には13.37Vで落ち着きました。
このことから、今回の充電器とバッテリーの組み合わせでは③の指定電圧=充電停止電圧はバッテリー内BMSパラメータMAXの14.6Vかと思われます。
バッテリー駆動にしてノイズは軽減したのか
前振りが長くなってしまいましたが、肝心のノイズはどうなったのかというと、全く改善されませんでした。
なんじゃ!結局ハムノイズは改善できんかったんかい!
フォノイコライザーの電源をスイッチング電源のDC12VからBMS付12Vバッテリーに変更したわけでありますが、私の、予想とは裏腹に相変わらず電源由来と思われるハムノイズが聞こえます。
電源由来のハムノイズは純粋?な直流電源にしてもボリュームを大きくするとかなり大きく聞こえます。ウーファースピーカーが数mm~10mm程度の振幅でボヨンボヨン振動しています。耳で聞くぶんには小さい音でも目視するとウーファーはボヨンボヨン振動しています。
メインのオーディオシステムで使用するELAC CL310JET AUDIO EDITIONはロングストロークウーファーを搭載しています。それゆえウーファーの振幅が大きくなるのは想像できます。聴感では小さな音でも、ウーファーがバンバン動くのでスピーカーを破壊してしまう可能性も有ります。
なぜハムノイズが消えないのか
電源ケーブル、その他のケーブル、トランスなどから発生するノイズを拾っているのでしょうか?
まとめと考察
- リップル分の無い綺麗な電源になったはずなので、気持ちが良い。(イメージだけかも)
- 電源を純粋な?直流=バッテリー電源にしてもハムノイズは軽減されなかった。
- 今、はやりのリン酸鉄バッテリーの性質、充電などの知見が増えた。
- ポータブルバッテリー、ソーラー発電にも今まで以上に興味が出てきた。
- 真空管ラインアンプ及び周囲の配線、配置の問題の可能性も出てきた。
現段階では「フォノイコライザーのノイズ問題は改善されてません」
コメント
PP400のハム音に関するスレッドを見たのですが、レコードプレイヤー(トーンアーム)のアース線が、PP400のアース端子に接続されていないのが原因では?
MMカートリッジならば、アース線をフォノEQのアース端子に接続しないと、漏れなく電源ハム音は出ます。
ご参考まで
匿名さん
コメントありがとうございます。
現在稼働しているレコードプレーヤー本体にはアース線、アース端子が出ていません。
フォノEQ側にはアース端子があります。
AIWA PX-E800で廉価版のプレ―ヤ―なのでついてないのかと思います。
トーンアームの金属部を手で触れるとノイズのレベルが下がったような(気がします)
引き続き、ボチボチと実験、改善できればと考えています。
横からすみません。
AIWA PX-E800はフォノイコライザー内臓のはずですよ。
_/_ さん
コメントありがとうございます。
フォノイコライザー内臓のご指摘、おっしゃるとおりです。
購入して何年も経っってるのに数か月前に気が付きました。
改めて、確認してみると、ターンテーブルを取り外すと、「EQUALIZER AMP」と書かれたスライドスイッチがあり、ON/OFFできるようになってます。
ターンテーブルを外さなくても、ゴムシートをとって、ターンテーブル(プラッター)にあいた、穴の隙間から「EQUALIZER AMP」のSWをON/OFFできそうです。
最近はEQUALIZER AMP のSWはONで使用してます。
その際、外付けのPHONO EQUALIZER AMPは使用してはダメなのですが、イコライザーカットするのを忘れてしまい、「音がヘン」と思う事がありました。
バカ耳のためか、そもそも、「音がヘン」である事に気づかない事もありました。