プロジェクターを天吊り対応にするため、取り付け金具を購入しました。
しかし、HDMIケーブルを買うのを忘れてました。プロジェクターと映像ソースであるCATVのSTB(セット・トップ・ボックス)との水平方向の直線距離は約5m、床ー天井間は約2.5m、その他もろもろ計算したところ最低でも10.9mのHDMIケーブルが必要になりそうです。
余裕を持って15mのHDMIケーブルにコスパの良いものはないか調査しました。
ケーブルが長くなると、映像が映らない事も
ケーブルの長さが15mにもなると、機器側のドライブ能力、ケーブルの伝送ロスや信号の反射などでまともに映像が映らない可能性も懸念されます。実際、粗悪品などでは映像が映らない事もあるようです。
私のプロジェクターはリアル4Kではありませんが、8Kプロジェクター、8Kテレビともなると、

HDMIケーブルを購入したけど映らない
なんてこともあります。
調査する際に注目した点は
お金に糸目をつけなければ、選択肢も多くて良いのですが、Poor-AudioでPure-Audioを!をモットー?の私はなるべくコスパが良くて、確実なものを選びたいものです。
・ 商品レビュー
ケーブルの構造
HDMIケーブルには差動信号線4対(映像:3、音声1)と制御用の信号線が入っています。これ以外にHDMI規格のバージョンアップにより信号線も増加傾向にあります。私も細かいところまでは把握していません。
重要なのは差動信号の通る4対の線です。差動信号の特徴はノイズに強いことです。HDMIの場合の差動インピーダンスはZdiff=100Ωと決められていて、各機器の基板内のHDMI回路のパターン幅やパターン間隔、銅箔の厚さ、絶縁体の厚さ、絶縁体の誘電率などが厳密にコントロールされています。
HDMIケーブルにおいても同様に作動ペアとなる配線、絶縁体の厚み、ペアとなる2本の配線の間隔などが製造時に厳密に制御、管理されているのはずなのですが、中華製の粗悪品になると、この辺が管理されてなかったり、そもそも、配線がペアになっていなかったりするものもあります。
インピーダンスコントロールの概念からすれば、最低でも4つのペア配線と各ペアをシールドする(ペアシールド)必要があると考えます。
シールドは各ペアのシールド+全体の2重シールドで3重シールドの物を選びたいです。
イーサーネット対応のHDMIケーブルでは専用に1ペアの信号線を使っているみたいです。
ツイストベア
ツイスト・ペア線にドレイン線がある構造ものもあります。この場合3本の線がツイストしてねじりながら1つの束を形成しこれをシールドで覆っている構造の物もあります。
ツイスト線はノイズに弱い信号を扱う所に使われることが多いのですが、インピーダンスコントロールの観点からするとインピーダンスの計算が複雑で、製造管理が難しそうに思えてなりません。
ツイスト・ペア+2重シールドまたは3重シールドは凝った構造で、一見高級そうに見えますがインピーダンスコントロールは、「果たして大丈夫なのかな」と思ったりします。
ツイストペア線と言えばLANケーブルなどはツイストペア線が4対入って全体をシールドした構造になってます。UTPケーブル(Unshielded Twist Pair cable) ともいわれます。CAT6(カテゴリー6)まではこの構造になってるようです。
UTPケーブルに対してSTPケーブル(Shielded Twist Pair cable)は各ツイストペアはそれぞれシールドされておりさらにケーブル全体をシールドする構造になってます。
AWGとコアの直径
ケーブルのカタログ、広告等でコア(芯線)の直径がAWGで表記されることがあります。直径が大きいほど(AGW Noが小さいほど)電気的にはよさそうですが、10本以上の芯線で構成されるHDMIケーブルでは設計上、物理的、製造的に限度や制約があります。
HDMIケーブルで使われるコアのAWG No.はAWG30(Φ0.255)、AWG28(Φ0.321)、AWG26(Φ0.405)、AWG24(Φ0.511)あたりでしょうか。
AWG No.と導体の直径の関係
AWG | 直径 [mm] |
18 | 1.024 |
20 | 0.812 |
22 | 0.644 |
24 | 0.511 |
26 | 0.405 |
28 | 0.321 |
30 | 0.255 |
私が検討したコスパの良いケーブルは
商品確認
コアは30AWG=直径0.255mm
5対のペア信号線があり、各ペアはアルミテープでシールドしています。
1対のみドレン線があってアルミテープのシールドに接触しています。
ドレン線はもう1本あって全ての配線を覆うシールドに接触しています。
3重シールドが希望でしたが2重シールドです。
比較的低価格だったのはこの辺りのケーブルの構造に起因するものかと思います。
もうちょっと無理すれば3重シールド
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15m hdmi ケーブル 2.0 4k アクティブ型 信号増幅回路内蔵 壁内CL3定格(難燃性材) 銅製コネクター アルミ合金持ち手 26AWG太銅導体 4K 60Hz 2K 144Hz HDR
商品確認
3重シールド仕様です。
ドレン線も5対のペアに組み込まれています。
コアは26AWG=直径0.405mmで銀メッキと書かれてます。
HDMIコネクタに信号増幅回路が内蔵され信号の信頼性が向上します。
動作保証、返金保証の商品は安心
保証された条件、モードで画面が出なかった場合は返金対応してくれる商品もあります。
特に4K対応のプロジェクターを持っている方は動作保証、返金保証のある商品を選択した方が良いでしょう。
光ファイバーHDMIケーブル
15mのケーブルともなると光ファイバーを使ったHDMIケーブルもあるようです。私の購入した中古の15mHDMIケーブルの10倍以上の価格です。
電気信号を光に変換するICが内蔵され、使い方は通常のHDMIケーブルと同じという商品。
ふと立ち寄った中古屋さん「○○・オフ○○店」で15mのMDMIケーブルを発見
あとは、2重シールドのHDMIケーブルを買う気満々だったのですが、ふと立ち寄った中古屋さん「○○・オフ○○店」で15mのMDMIケーブルを発見。思わず購入してしまいました。
中古なのに、結果的には元々狙っていたケーブルよりも若干高くついてしまいました。
ケーブルには次のように書かれていました。
HIGH SPEED HDMI CABLE WITH ETHERNET 28AWG
28AWGなのでAWG No.と導体の直径の関係の表によると、コアの直径=Φ0.321mmです。
HDMI Ver.1.3~1.4あたりの規格、最大10.2Gbpsの転送速度に対応したケーブルのようです。
片方の端子にはDISPLAYと記載されていたのでDISPLAYと記載された側をプロジェクターに接続しました。
ETHERNET対応のようだ
片側だけDISPLAYの文字がある
心配していた「映らない」という最悪の事態にはならず、一安心です。
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